入院や施設入所の手続きで身元保証人を求められ、頼める人がいなくて困っていませんか。
厚生労働省が身元保証をどう定めているのか、公式情報で確かめたい方も多いでしょう。
結論から言うと、厚生労働省が身元保証人を引き受けるサービスはありません。
この記事では、公式資料5つの要点を原文リンク付きで整理し、相談や事業者選びへの生かし方を解説します。
身元保証人がいないまま入院・入所を控えている方や、ご家族・支援者の方はぜひ最後までご覧ください。
【全体像】身元保証について厚生労働省が示すのは「サービス」ではなく「通知とガイドライン」


身元保証について厚生労働省が示しているのは、国のサービスではなく、病院・施設や事業者に向けた通知とガイドラインです。
この章では、次の2点を確認します。
- 国のサービスがない理由と言葉の整理
- 押さえておきたい公式資料5つ
全体像をつかんでから、個別の資料へ進みましょう。
「厚生労働省の身元保証サービス」はない:呼び名の移り変わりと、雇用の身元保証との違い
「厚生労働省の身元保証サービス」という国の事業はなく、検索で見かけるのは民間サービスか国の指針名称です。
国は民間の身元保証サービスを、長く「身元保証等高齢者サポート事業」と呼んできました。
2024年のガイドラインからは、死後まで支える事業として「高齢者等終身サポート事業」に呼び名が変わっています。
どちらも、身元保証・死後事務・日常生活支援を組み合わせたサービスを指します。
病院や施設が使う言葉も統一されておらず、求める範囲が契約ごとに異なるのが実情です。
- 身元保証人:幅広い役割を期待して使われる呼び方
- 身元引受人:退院・退所や死亡時の引き取りを担う人
- 緊急連絡先:容体の変化などを知らせる相手
- 連帯保証人:本人が払えない費用を代わりに支払う人
就職時に会社へ出す身元保証書は雇用の話なので、本記事では扱いません。
押さえておきたい公式資料5つ【一覧表と時系列】
身元保証に関して厚生労働省などが公表している主な資料は、次の5つです。
| 時期 | 資料 | 発出元 | 対象 | 要点 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年4月 | 入院拒否に関する通知 | 厚労省医政局 | 医療機関 | 身元保証人不在のみを理由に入院を拒むと医師法に抵触 |
| 2018年8月 | 身元保証等高齢者サポート事業の相談対応の通知 | 厚労省老健局 | 都道府県・市町村 | 身元保証人不在は介護保険施設の入所拒否の理由にならない |
| 2019年 | 身寄りがない人の入院・医療に関するガイドライン | 厚労省の研究班 | 医療機関 | 身元保証人に期待される6つの役割と代わり方 |
| 2024年6月 | 高齢者等終身サポート事業者ガイドライン | 9府省庁 | 民間事業者 | 契約・預託金・寄附や遺贈・事業者の体制 |
| 2026年6月 | 社会福祉法等の一部を改正する法律 | 国会 | 支援の担い手 | 身寄りのない高齢者等への支援を社会福祉事業に |
このほか、総務省が2023年8月に公表した調査結果も、2024年のガイドラインにつながりました。
気になる資料から読み進めてください。
【参考】総務省「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査<結果に基づく通知>」(2023年8月)
身元保証人がいないときの入院・入所|厚生労働省の通知が示すこと


身元保証人がいないことのみを理由に入院や入所を断らないよう、厚生労働省は病院と介護保険施設に通知を出しています。
ただし、緊急時の連絡や支払いといった役割そのものがなくなるわけではありません。
次の4つに分けて確認します。
- 入院:2018年4月の通知
- 病院が身元保証人に期待する6つの役割
- 介護保険施設:2018年8月の通知
- 有料老人ホーム・サ高住での扱い
順に見ていきましょう。
入院:身元保証人がいないことのみを理由とした拒否は医師法上の問題になる
入院が必要な人を、身元保証人がいないことのみを理由に拒むのは医師法第19条第1項に抵触します。
厚生労働省が2018年4月27日に、医政局医事課長の通知で示した考え方です。
通知は、診療を拒める「正当な事由」を、医師の不在や病気で診療が事実上できない場合に限るとしています。
注意したいのは「入院による加療が必要であるにもかかわらず」「のみを理由に」という限定です。
病床の状況など別の理由による調整や、入院費の支払い方法の相談まで不要になるわけではありません。
【参考】厚生労働省「身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて」(医政医発0427第2号・2018年4月27日)
病院が身元保証人に期待する6つの役割と、いないときの代わり方
病院が身元保証人に期待する役割は、2019年の医療機関向けガイドラインで次の6つに整理されています。
| 役割 | 身元保証人がいない場合の主な対応 |
|---|---|
| ①緊急の連絡先 | 友人・知人を確認し、いなければ緊急時の対応を本人と決める |
| ②入院計画書 | 本人にわかりやすく説明し、希望する人に同席してもらう |
| ③入院中に必要な物品の準備 | 病院での購入・貸出や、有償ボランティアなどを検討 |
| ④入院費など | 本人の支払いが原則。困窮時は自治体や生活保護の窓口へ |
| ⑤退院支援 | 関係者と分担し、いなければ地域包括支援センターなどと体制をつくる |
| ⑥(死亡時の)遺体・遺品の引き取り・葬儀など | 親族などがいない場合は市町村が行う |
表は、本人の判断能力が十分な場合の対応の要約です。
医療行為への同意は本人の一身専属のもので、身元保証人などの第三者に同意の権限はないとされています。
身元保証人の役割は主にこの6つで、医療同意は含まれないと押さえておきましょう。
【参考】厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」(2019年)
病院や施設への具体的な相談手順を詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
【関連記事】身元保証人がいない高齢者はどうする?入院・施設入居から死後事務までの備え
介護保険施設:身元保証人の有無にかかわらず入所を受け入れることが原則
介護保険施設は「身元保証人等がいないことのみを理由に入所を拒むことや退所を求めるといった不適切な取扱を行うことのないよう……」と、厚生労働省が2018年8月30日の通知で示しています。
法令に身元保証人を求める規定がなく、正当な理由なくサービス提供を拒めないと基準で定めているためです。
同じ通知には、入所時に本人以外の署名を求める施設が95.9%にのぼるという2017年度の調査結果も載っています。
施設が身元保証人に求めるのは、主に滞納への備えと、本人の能力が衰えたときの身上保護・財産管理です。
この考え方の対象は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設だと押さえましょう。
【参考】厚生労働省「市町村や地域包括支援センターにおける身元保証等高齢者サポート事業に関する相談への対応について」(老高発0830第1号・老振発0830第2号・2018年8月30日)
有料老人ホーム・サ高住など、介護保険施設以外での扱い
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、2018年8月の通知では直接対象とされていません。
入居は民間の契約で、身元引受人を求めるかどうかは施設ごとの契約で決まります。
国の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」は、入居契約書に身元引受人の権利・義務を明示するよう求めています。
個人が入居者の債務を根保証する場合は、極度額(保証の上限額)の設定を含め民法の規定に従うことも必要です。
入居前に契約書の身元引受人の条項を読み、事業者や後見人による代替を認めるか尋ねてください。
【参考】厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」
高齢者等終身サポート事業者ガイドラインとは|民間の身元保証サービスに国が求めること


高齢者等終身サポート事業者ガイドラインは、民間の身元保証サービスに対して国が示した共通の指針です。
この章で確認するのは、次の3点です。
- 誰が、何のために作ったか
- 契約時・契約中・事業者の体制で求められること
- 事業者に資格は必要か
原文の構成に沿って読み解いていきます。
誰が、何のために作ったか
ガイドラインは2024年6月、内閣官房・内閣府・厚生労働省・消費者庁・法務省など9府省庁が連名でまとめました。
背景には、長期契約で費用の一部が前払いされるため、利用者保護の必要性が高いという課題意識があります。
法律ではないため守るかどうかは事業者に委ねられ、国の許認可制度もありません。
一方で原文には、利用者による事業者判断の目安ともなり得ると書かれ、別紙のチェックリストも公開されています。
【参考】内閣官房・厚生労働省ほか「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(2024年6月)
【参考】消費者庁「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン【別紙】チェックリスト」
契約時・契約中・事業者の体制で求められること
ガイドラインは総論のあと、「契約を結ぶとき」「契約が始まってから」「事業者の体制」の3つの場面で留意事項を示しています。
契約を結ぶとき(原文p.9〜21)
契約内容と費用は、重要事項説明書を使って丁寧に説明し、契約書に明記することが求められています。
寄附や遺贈を契約の条件にすることは、本人の意思に基づくかどうか疑いが残るため避けるべきとされました。
確認ポイントは、重要事項説明書の有無と、寄附・遺贈が契約の条件になっていないか。
契約が始まってから(原文p.22〜34)
預託金は事業者の運営資金と分けて管理し、管理状況を定期的に報告することが望ましいとされています。
保全の方法としては、信託銀行や信託会社との信託契約を利用することが望ましいと明記されました。
確認ポイントは、預託金の管理方法と報告の頻度、解約時の返金の扱い。
事業者の体制(原文p.35〜37)
事業者には、サービス内容や費用、預託金の管理方法、寄附・遺贈の方針などをホームページなどで公表することが求められています。
ほかに個人情報の適正な取扱い、事業継続のための対策、相談窓口の設置も挙げられました。
確認ポイントは、料金や解約時の返金ルールを契約前に公開情報で読めるかどうか。
事業者に資格は必要?国の許認可はなく、業界団体の認定は民間の仕組み
2026年10月時点で、身元保証サービスを始めるのに必要な国の資格や許認可、登録制度はありません。
ガイドライン自体も、事業者の認定制度などの検討を今後の課題に挙げています。
業界団体の一般社団法人全国高齢者等終身サポート事業者協会は、2026年6月に認定制度の受付を始めました。
認定は民間団体による仕組みで、国の資格とは異なります。
認定の有無は判断材料の1つにとどめ、ガイドラインの項目に書面で答えられるかを確かめましょう。
【参考】一般社団法人全国高齢者等終身サポート事業者協会「認定制度について」
身元保証の役割は公的支援と民間サービスのどちらで補う?【比較表】


身元保証人がいないときに残る役割は、公的支援と民間の身元保証サービスを組み合わせて補えます。
どちらか一方だけで考えると、費用をかけすぎたり、必要な役割が空いたままになったりしがちです。
ここでは次の3点を整理します。
- 公的支援と民間サービスの違い
- 国の新しい支援
- 状況別の使い分け
自分に足りない役割を当てはめながら読み進めてください。
5つの軸で比べる公的支援と民間の身元保証サービス
公的支援と民間の身元保証サービスは、根拠となる仕組みも担える役割も異なります。
| 軸 | 公的支援(地域包括支援センター・社会福祉協議会・自治体) | 民間の高齢者等終身サポート事業者 |
|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法・社会福祉法などの制度、自治体の事業 | 本人との契約(ガイドラインは任意の指針) |
| 費用 | 相談は無料。有料の事業もある | 契約内容により異なる |
| いま使えるか | 相談はすぐできる。新事業は施行日が未定 | 契約すれば使える。面談や審査がある |
| 担える役割 | 相談・調整、日常的な金銭管理、手続き支援など | 駆けつけ、入退院・入退所の支援、連帯保証、死後事務など |
| 確認の方法 | 窓口で対象者と利用条件を聞く | ガイドラインを基準に書面で確かめる |
| 向いている人 | 費用の負担が難しい人、何が足りないかわからない人 | 入院・入所が迫り、保証や駆けつけが必要な人 |
公的支援で連帯保証まで引き受けられるかは、事業ごとに確認が必要です。
費用の目安や内訳について詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
【関連記事】身元保証サービスの料金相場は?費用内訳・入院・施設入居時の目安と失敗しない選び方
国の新しい支援:モデル事業と改正社会福祉法の新事業は、いつから・何をするか
「身寄りのない高齢者等が抱える生活上の課題に対応するためのモデル事業」では、市町村が実施主体で相談・調整窓口を設けます。
資力が十分でない人には、日常生活支援・入院入所の手続き支援・死後事務を一体で提供する取り組みも試行中です。
2026年6月25日に公布された改正社会福祉法では、こうした支援が第二種社会福祉事業に位置づけられました。
この部分の施行日は「公布後2年以内に政令で定める日」で、2026年10月時点では決まっていません。
法律全体の原則施行日(2027年4月1日)と混同しないよう注意しましょう。
【参考】厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について」
【参考】厚生労働省 第29回社会保障審議会福祉部会 資料2「身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直し等への対応について」(2025年9月8日)
状況別に見る、通知とガイドラインの使い方
同じ「身元保証人がいない」状況でも、急ぎ具合と費用の余裕によって最初の一歩は変わります。
入院・入所が迫っているなら、病院の医療ソーシャルワーカーや施設の相談員へ相談します。
身元保証人に求める役割と代わりに認められる条件を確かめ、残る役割を民間サービスで補う流れです。
民間サービスを比べている段階なら、ガイドラインの3つの場面に沿って質問を書き出し、回答を書面でもらいましょう。
費用の負担が難しい場合は、地域包括支援センターや社会福祉協議会、生活保護の相談窓口へ足を運んでください。
事業者の比べ方を詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
【関連記事】身元保証会社の評判は?口コミの見方・失敗しない選び方・料金の確認ポイントを解説
厚生労働省の資料が示す役割を、微笑堂はどこまで担えるか(PR)


身元保証人の役割を補いたい方に向けて、運営者である微笑堂の対応範囲と対応エリアをお示しします。
医療機関向けガイドラインの6つの役割に沿って整理しました。
| ガイドラインの役割 | 微笑堂の対応 |
|---|---|
| ①緊急の連絡先 | 緊急時の駆けつけ対応 |
| ②入院計画書・入院手続き | 入院・手術時の身元引受人 |
| ③入院中に必要な物品の準備 | 買い物や付き添いなどの生活支援 |
| ④入院費など | 施設入所(入居)時の連帯保証に対応。入院費などの支払代行・立替・保証の可否と範囲は、契約前に確認してください |
| ⑤退院支援 | 通院・退院時の付き添い |
| ⑥遺体・遺品の引き取り・葬儀など | 死後事務・葬送支援(オプション)、葬儀社の紹介 |
医療行為への同意は、ガイドラインのとおり微笑堂でも代わりに行えません。
料金は「身元保証サービスの料金プラン」で公開しており、入会前には本人との面談があります。
費用の負担が難しい方は、前章の公的な窓口から相談を始めてください。
入院・施設入所(入居)の保証から死後事務まで、まとめて相談できます(PR)
株式会社微笑堂では、身元保証・生活支援・死後事務のご相談を承ります。
- 基本エリア:東京の城南エリア(大田区・品川区・世田谷区・目黒区など)
- その他のエリア:東京都内および近郊地域を中心に対応しています。それ以外の地域は、個別にご相談ください。
「どの役割が足りないのか」の整理からご一緒します。相談は無料で、契約の義務はありません。
身元保証と厚生労働省の通知・ガイドラインに関するよくある質問


よくある質問にお答えします。
身元保証制度は廃止されましたか?
国が高齢者の身元保証を引き受ける制度はもともとなく、廃止されたものはありません。
就職時の身元保証を定めた「身元保証ニ関スル法律」も現行の法律です。
身元保証サービスで連帯保証まで引き受けてもらえますか?
引き受ける事業者もありますが、保証の範囲は事業者や契約ごとに異なります。
入院費・施設の利用料・退去時の費用のどこまでを保証するか、上限はあるかを契約書で確認してください。
身元保証サービスで葬儀や納骨などの死後事務も依頼できますか?
依頼できる事業者もあり、国のガイドラインも死後事務サービスの留意点を示しています。
死後事務委任契約の内容と費用の預け方、相続人への説明の有無を契約前に確かめましょう。
身元保証人がいないことを理由に入院や入所を断られたら、どこに相談できますか?
まずは病院の相談窓口や施設の相談員に、厚生労働省の通知があることを伝えて相談しましょう。
解決しない場合、医療なら都道府県などの医療安全支援センター、介護保険施設なら市区町村の介護保険窓口が相談先です。
【まとめ】身元保証は厚生労働省の通知とガイドラインを根拠に、役割を分けて備えよう


身元保証について厚生労働省が示しているのは、国のサービスではなく、通知とガイドラインです。
この記事の要点を3つにまとめます。
- 入院による加療が必要な場合、身元保証人等がいないことだけを理由とする入院拒否は不適切(介護保険施設についても、身元保証人などがいないことだけを理由とする入所拒否は不適切とされています)
- それでも、病院や施設が期待する役割を誰が担うかの相談は必要
- 民間の身元保証サービスは、国のガイドラインを物差しに書面で確かめる
まずは原文で確かめ、病院や施設の窓口で必要な役割を聞くところから始めてください。
根拠を手元に置いて、納得できる備えを選んでいきましょう。
関連記事は次のとおりです。
東京・城南エリアの身元保証は株式会社微笑堂へ(PR)
「身元保証人を頼める人がいない」「国の資料を読んでも何から準備すればよいかわからない」という段階でも、ご相談いただけます。
他社と比較中の方や、ご家族・支援者からのご相談も歓迎します。ご相談は無料です。













